30代男性 広告会社勤務 H.Sさん
30代男性が長期間続く頭痛で来院。仕事が忙しくなってから頭痛が増えた。頭痛は頭全体が重たく締め付けられる感じ。仕事が忙しくて睡眠時間はいつも不足。毎日パソコンの入った重たい鞄を右に持っている。電車で寝てしまうことが多いが、起きると首が痛い。ストレッチ等のセルフケアは全くしない。何とかして欲しい。
初回の状態
・頚部筋が硬く、押してもあまり感覚がない
・頚部屈曲・側屈・伸展の動きがかなり減少、特に屈曲は動かない感じ
・頚部屈曲時に後頚部筋に痛み
・右肩が著しく上がっている
頚部筋がものすごく硬くなっていて、伸張性がかなり低下。伸ばすと痛みを感じる状態なので、無理なストレッチは行わず、少しずつ頚部全体の可動域が回復するように施術を行った。アメリカでカイロプラクティックに通っていた経験があるとのことで、矯正を受けることに抵抗は全くないが、筋肉の硬さから矯正のポジションがなかなか取れない。モビリゼーションを念入りに行い、なんとか矯正のポジションまで頚部を誘導。頚部・頚胸部を中心に可動域の改善と筋肉の伸張性の改善を目的に施術を5回程度行った。頭痛は初回の施術後あまり感じなくなったが、5回施術後に頚部の屈曲可動域は30%程の改善・・・ 聞くとアメリカ生活が長く、お風呂に入らずシャワーのみとのことだったので、週数回はお風呂で体をゆっくり温めるようにアドバイス。また重たい荷物もなるべく持たないか、右だけで持たないように伝えた。ストレッチもかなりやってもらったが、頚部の可動域はなかなか正常範囲までは戻らず。しかし、気になっていた頭痛は、よほど寝れない時がない限りは感じなくなった。
担当コメント
この方の場合、仕事がかなり忙しく、睡眠時間があまり取れなかったことから身体が十分に休息する時間がなく、疲労の蓄積で後頭部に付着する後頚部筋の伸張性がなくなり、頭痛の原因になっていたのだと思います。頭痛を感じ始めた時期と、仕事が忙しくなってきた時期から考えると、仕事のストレスも原因だと思いますが、首や体のケアも全く行ってこなかったのも症状を悪化させる原因だったと思います。重たい荷物を常に同じ右側で持っていたのも、右の首から肩甲骨についている筋肉の緊張を高め、慢性的な痛みやこりの原因になってしまいます。このようなケースの場合、生活習慣(睡眠時間や荷物の持ち方、入浴の有無など)を変えていかないとなかなか根本からの改善は難しいと思いますが、頚部を中心としたセルフケアをするだけでも、頭痛の軽減は可能です。同じように、頭痛が気になるが、なかなか忙しくてケアをする時間がないという方は、お気軽にご相談ください!頭痛にも色々ありますが、この方の場合は、器質的な問題ではなく、機能的な問題が頭痛の原因になっていた可能性が高いです。機能性の頭痛(緊張型頭痛や片頭痛など)はカイロプラクティックの施術で改善する可能性がかなり高いです。