20代女性大学職員が左アゴの痛みを訴えて来院されました。痛みは数週間前から気になり始め、歯医者に行ったら顎関節症だと思うからストレッチをするように言われました。薬も出してもらったのですが、痛みは変わりません。聴力がもともと弱いのですが、今まで耳やアゴが痛くなったことはありません。痛みを取りたいのと、原因がなんなのかということで来院されました。
初回の状態
・左耳下腺領域の痛みが強い
・左顎関節の痛みはそれほど強くない
・左の首の前から横にかけての筋肉(SCM)の緊張が強い
・背中を丸めて座っているため、首が前に突き出ている
初回は上部頚椎を中心に施術を行い、2回目の来院時に痛みを確認。まだ痛みが残っていたため、頚椎の施術を行った後、SCMの付着部である側頭骨を含めた頭蓋骨の調整を行った。3回目の来院時に痛みは半分程度に軽減していたため、同じように頚椎と頭蓋骨の調整を行い、SCMの緊張を緩和させていった。施術後には痛みはほとんど感じなくなっていたため、時間が経ってからの確認と、身体のメンテナンスのため2週間後に来院予定。
担当コメント
この方の場合、最初に歯医者に行かれ、顎関節の問題と言われていたのですが、顎関節自体に痛みが強くなかったことや、痛みを感じている場所が左耳の後ろ(SCMの付着部)だったことから、神経的なつながりと、力学的な影響を考え、上部頚椎と頭蓋骨の施術を行いました。初回の施術ではまだはっきりその筋肉が原因ということはわからなかったのですが、2回目でわかりました(__)
その場所が痛くなる原因としては、普段の背中を丸める姿勢にあったと思います。仕事を始められてからだんだん痛みが気になってきたのですが、長時間パソコンに向かって背中を丸めた姿勢が続けば、首は前に突き出てしまいます。加えて耳が少し聞こえずらいのも、聞こえやすいポジションに首を傾けるために関係していたのだと思います。
先天的な聴力の問題が、カイロプラクティックの施術で改善するのは難しいかもしれませんが、今回は、首を支える筋肉の一つに過度の負荷がかかって痛みに変わっていたと思います。同じように顎やその周囲が痛いけど原因が???という方は参考にしてみてください。顎関節の問題も、カイロプラクティックで改善が期待できます。