30代後半男性の方が、膝の痛みと肩こりを訴え来院。仕事は警備会社勤務で重たい荷物の運搬と運転が多い。膝の痛みは仕事を始めてから気になっている(ここ数年)。肩こりは以前からで、長時間運転していると強く感じる。仕事が忙しく、いつも全体的に疲れている感じがする。ここへはご家族のご紹介でお見えになった。
初回の状態
・座位で背中をかなり丸くして座っている
・胸椎の可動域が全体的に減少
・膝の痛みは、左の内側(大腿骨部)にあり、押すと痛い
・首から肩にかけての筋肉が硬く、頚部の伸展可動域が減少
円背姿勢がクセになっているため、胸椎の後湾が強くなり、頚椎の伸展可動域や胸椎全体の可動域減少の原因となっていると考え、背骨を中心にカイロプラクティックケアを行う。今まで姿勢を気にしたことがないとのことで、正常な背骨のS字カーブ(頚椎軽度前湾、胸椎後湾、腰椎前湾)がクセになるような座り方やエクササイズも指導。運転時間がかなり長いとのことで、運転中の骨盤の位置や背骨の位置も気をつけてもらうように伝えた。
膝の痛みに関しては、膝の可動域チェックやストレステストで特に痛みはなく、左膝の膝蓋骨上部内側の筋肉の押圧で痛みを感じることから、膝関節の変形や変性ではなく、筋肉の問題の可能性が高いと考え、骨盤~股関節の動きの改善と、筋肉の状態を改善させるためのケアを行う。施術後に、ホームエクササイズとして大腿前面内側の筋肉のストレッチをしてもらうように指導。
二回目の来院時に、膝の痛みは半分程度に軽減、肩こりも以前ほど気にならなくなってきているとのことだったが、胸椎の可動域はまだ改善された状態ではなかったため、同じようなアプローチを一週間間隔で全三回行う。その後膝の痛みは気にならなくなり、肩こりも以前より感じなくなった(二割程度)とのことだったので、間隔を更に空けてメンテナンスを続けている。たまに寝違えるとのことだったが、うつぶせ寝を止めてもらってからは首の調子も良い。
担当コメント
この方の場合、かなり背中を丸くして座られていた為、首から肩にかけての筋肉、頚椎~胸椎にかけての部位に負担がかなりかかり、肩こりを感じられていたのだと思います。その姿勢で長い時間運転をされていたとのことで、腕の重みも感じやすく、肩の上の筋肉(棘上筋)もかなり疲労している状態でした。この状態を続けていれば、肩こりから肩関節の周囲炎(五十肩)に将来的につながる可能性も高くなりますので、運転中はなるべく車のシートを起こして、背骨を立てて、肩や首の筋肉の負担を減らす姿勢で運転することをお薦めします。
膝の痛みも、かなり重たい荷物を一日何十個も車へ運び入れる作業をされるとのことで、その際の膝の負担がかなりあったと思います。日頃ストレッチは全くされないとのことでしたので、初回の来院時から毎日膝の上の筋肉のストレッチをしてもらったところ、痛みはすぐに軽くなってきましたので、今回のケースは筋肉への負担が原因だったと思います。肩こりにしても、膝にしても、慢性的に負担をかけているところが問題となるケースがほとんどなので、自分の動作や姿勢を少し客観的にみて、必要な改善やケアをされると楽になると思います。ご自分では良く分からないという方や、自分でやるのは自信がない…という方は、いつでもお気軽にご相談下さい!
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