名古屋市西区40代女性会社員の方が、右肩の痛みとあがりにくさ(五十肩)、肩こりでご来院されました。
痛みを感じ始めたのは3ヵ月程前で、それ以前から右肩があがりにくくなっていました。特に何か原因があるわけではなく、症状は徐々に進んでいきました。仕事は事務職で、パソコン作業が多いです。運動やストレッチはしていません。仕事や着替え、家事等日常生活に支障が出ています。肩こりも何年も前から気になっています。
検査をさせてもらったところ、右肩の可動域がかなり制限されていました。特に外転は60度いかない程度で、それ以上の動きは痛くてできない状態です。前から腕を上げようとしても身体を使ってしか上げれず、腕を背中に回そうとしても右の腰部をやっと触れる程度でした。 背中も全体的に後弯している状態で、肩甲骨が開いている状態でした。
右肩の可動域が狭く、それ以上に動かそうとすると痛みを強く感じる状態でしたので、施術は痛みが強くでないように行いました。
初回は首や背中、腰、骨盤を中心に矯正を行い、肩甲骨の動きを改善させるために関係する筋肉へのアプローチを重点的に行い、右肩関節の動きが良くなる方向へモビリゼーションを行いました。
五十肩や肩の可動制限、肩関節周囲炎の場合、一度の施術で劇的に可動域が改善したり、痛みが軽減したりは期待できないのですが、首や首の付け根の施術を行いそこへの負担を軽くすることで、首から肩へのこりは軽減しました。
週1~2週に1回ペースの施術を首、背中、肩甲骨、右肩中心に行い、施術後に右肩に超音波を使ったのですが、10回の施術で右肩の外転の可動域は150度以上に改善、痛みは可動域ぎりぎりまで動かせば少し出ますが、着替えや仕事など日常生活においてはほとんどでることはなくなりました。
その後右肩の内旋の動きに制限が残っていたため、チェックしながらメンテナンスの施術を数週間に一度のペースで行っています。
初回のご来院から1年と少し経っていますが、現在は右肩の可動域は改善し、痛みを感じるときはありません。仕事が忙しいと肩がこるため、首を背中、肩甲骨を中心に身体のメンテナンスを行っています。
担当コメント
この方の場合、特に原因がなかったとのことですが、仕事での腕の使用頻度が高く、運動や身体のケアもされていなかったことから肩甲骨の動きが硬くなり、肩へ影響して症状を発症させてしまったと思います。
肩の関節は自由度が高いため、動きはいいのですが、動かさなかったり毎日一定の動きしかしない場合、同じ負担がかかり続けますので肩の障害につながることがよくあります。
血液供給もけしていい部位ではありませんので、ある程度動かして肩の筋肉や関節、組織への血液供給を増やしてあげることも重要です。
姿勢的な影響も肩関節は受けやすいので、特にPCを一日やっているような仕事の方は、体幹の全面のストレッチ、上肢や肩の外旋のストレッチ、肩甲骨を後ろで寄せるようなエクササイズが必要になります。
改善までに少し時間を要しましたが、運動療法によるアプローチが五十肩や肩の可動制限には一番有効だと思います。
同じように五十肩、肩の痛み、肩が上げにくい等でお悩みの方は是非参考にしてみて下さい!