40代男性会社員の方が、左指のしびれ、首の痛み、右肩が上がらない症状(五十肩)を訴え来院。 しびれは左手小指で半年位気になっている。首はここ2~3年常に張っている感じ。右肩はここ一年位上がらない状態が続いている。動かそうとすると痛い。野球をする時に、ボールを取ったりがつらい(左投げ)。仕事で座っている姿勢は悪い(背中を丸くしていることが多い)。首を動かそうとすると痛みがあり、しびれが強くなる。
初回の状態
・立位では目立たないが、座位でかなり胸椎上部に負担のかかる猫背姿勢
・頚部~胸部にかけて背骨の湾曲が少ない(ストレートネック)
・頚部伸展~左側屈の間で左小指のしびれを誘発、首の可動域は全体的に狭い
・右肩が上に上がらない、上げようとすると痛みが強く出る
・右肩鎖関節がほとんど動かない状態で、右肩甲骨周囲の筋肉の緊張も強い。
首の筋肉の張りが強く、首の可動域も全体的に減少していたため、姿勢のアドバイスとともに、頚椎の可動域改善(特に伸展と左側屈)と、負担軽減のために頚椎、胸椎上部を中心に矯正を行う。指のしびれは、2回の施術以降全く感じなくなった。頚椎~胸椎にかけての湾曲が少ないため(ストレートネック)、普段からその部分への負担が多くなるのに加え、かなり背中を丸めて仕事をされているということで、姿勢的な負担も頚部の状態を悪くし、しびれの原因になっていたと思われる。
肩関節は、上腕肩甲関節に加え、肩鎖関節の動きも失われ、腕を上げる動作でかなり身体の他の部位を使う代償的な動きが見られた。可動制限が強い状態で動かすと、痛みが強く出てしまうので、痛みを我慢できる範囲で肩関節全体的なモビリゼーションを行い、可動域の改善を行う。肩甲骨の動きも悪く、関連する筋肉も硬くなっていたため同時にアプローチを行う。特に動きの制限が顕著だったのは肩関節の外転、内旋、外旋の動きで、その動きの改善のための施術を中心に最初の一カ月は週一ペースで継続的に施術を行う。初回は肩が痛くて、腕を後ろに回すことができなかったが、この時点で痛みはかなり減少。左に比べれば制限は残るが、腕を後ろに回してもあまり痛みを感じなくなってきた。現在も2週に一度のペースで施術を継続中だが、日常生活での痛みは気になっていない。肩関節のセルフケア&首のストレッチは継続中。
担当コメント
この方の場合、首に負担のかかりやすい背骨の湾曲(ストレートネック)の上に、仕事での猫背姿勢が首の状態を悪くさせ、しびれや首の痛みにつながっていた思います。左小指のしびれや首の痛みは比較的すぐに気にならなくなったので良かったです。ご自分で症状の原因を理解され、姿勢が与える首や背中への影響をわかって頂いたことが早期改善につながったと思います。肩関節の痛み&可動制限(五十肩)に関しては、通常半年~2年程度改善までかかるのですが、カイロプラクティックケアを行うことで、その期間の短縮は可能です(個人差はあります)。この方は、症状が気になってから10か月程度でお見えになられたのですが、最初は何をするにも痛くてしょうがない状態でした。症状の性質上、一回の施術で劇的な改善は期待できないと思いますが、肩関節の可動制限はどの方向にあるのか、関係する筋肉の状態や肩甲骨の状態はどうなのかなどをチェックしながら、痛みの我慢できる範囲で可動域が改善するように動かしていくのが基本的なアプローチで、続けることにより、早い期間での改善は期待できます。もちろんご自分でも日常的に動かすことが大切です。この方の場合、週一回~二週に一回のペースで二カ月半位施術をさせて頂いていますが、現在は日常生活で痛みを感じることはないということです。肩関節の可動制限もかなり良くなってきていますので、早く左肩同様の動きが戻るようもう少し頑張りましょう! 来年もよろしくお願いいたします(__)
カテゴリー:五十肩 四十肩, 症例紹介, 腕や手のしびれ だるさ, 首の痛み 寝違え